私のやきもの履歴書

 ここでは、ささやかなアート"SMALL ART"が生まれる40年以上の足取りを辿って、これからのベクトルを自問自答する場として設けました。7月から、週刊で更新しています。過去の記載をご希望の方は、お問い合わせより”W?”でご要望ください。


 今週は、品質保証部での業績で書類の自動作成化についてです

 

 転籍して最初の業務が、化粧品関連書類作成であった。シリコーン原料を化粧品原料の一部として使用するユーザーに組成や製法、更に環境面、宗教面等直接無関係とも取れる情報を文書化して提供するものであった。当時はWORDを用いてマニュアルで作成していたが、ユーザーこそ異なるが、同様な書類作成の連続であった。私はこういった単調な作業が本当に苦手で、毎日が退屈であった。その後、化粧品分野以外にも、食品分野、法規分野、環境分野等、書類の種類は増えたが、内容は単調な書類作成ばかりであった。

 以上の理由から、こうしたいという青写真は日頃から描いていたが、ちょうど会社の業績も上向きで、かつ先輩たちの退職等も絡んだお陰で、書類の自動化への予算が取れるようになった。当然、業務内容に熟知している私が自動化案を作成し、グループ会社の情報管理部門へシステム開発を依頼した。予算は数回に及び5年間近く対応し、100以上の書類の自動化を行った。(予算的にも2億近く使わせていただいた。)これらシステムのお陰で、数名のスタッフで数千/月の書類が発行されている。この効果は品質保証部の留まらず、営業部門更に海外拠点の営業活動にも大きく貢献している。

 この間、先の本社及び大阪、名古屋出張はシステム説明に寄るものが多く、システムの説明だけでなく、法規等の特殊情報の説明も合わせて行った。この間の出張でも、時間が取れれば最寄りの美術館等にも足を運んでいた。

 書類の自動化も既述したように、様々な要因がうまく絡み合って成就した。しかし、対応している当時は、システム部門との交渉は当然であるが、自動化の定義や自動化の数値化等報告することも多く、通常の業務の同時並行対応のため、相当の無償残業を行った。このことは、医務室でも目に留まり一度だけ指導を受けた。お陰様で大方の書類のシステム化が済んだ現在では、ほとんど残業無しで勤務できている。

 本自動化対応では、業務効率化だけでなく、会社の業績にも大きく貢献している付帯的システムにも構築された。当時テレビのニュースや新聞紙上で話題となっていた”TPP"や”EU-EPA"対応である。これら輸出時の関税の節税のため、”原産地証明書”を必要とするのであるが、この書類だけでなく、ルール上必要とされている作成根拠、所謂”エビデンス”も合わせて完備しておかなければならない。これらを自動作成&自動発行&電子保管できる仕組みを構築したわけだ。結果として、現在億単位の節税が行われており、目に見えないが結構な貢献をしていると自負している。

 ここでは、社内の原産地の意識作りにも苦慮し、社内3工場及び海外拠点での意識改革も行った。一口に自動化とは言うものの、広範囲の分野をカバーする業務であり苦労はしたが、遣り甲斐のある業務であったと思う。


google.com, pub-3216388571209808, DIRECT, f08c47fec0942fa0